重要な指標のうち毎月中旬に発表される米国の3指数について解説します。これを読めば米国経済の動向を把握できるようになりますよ。
(参考:日本貿易振興機構JERTO/HPリンクはこちら

〈建設許可件数と住宅着工件数〉

 「建設許可件数」は、新たに建設が許可された建築物の数を示し、住宅市場の将来の活動を予測する先行指標として機能します。

 一方、「住宅着工件数」は、特定の期間に開始された住宅建設プロジェクトの数を表し、現在の経済活動のレベルを反映します。これらの数値は、住宅市場の健康状態と、それが消費者の支出や経済成長に与える影響を示すため、経済アナリストや政策立案者にとって非常に重要です。

〈住宅建設許可件数と、住宅着工件数の違い〉

 つまり、
・住宅建設許可件数:先行指標(=これから景気がどうなるかを計る目安の一つ)
・住宅着工件数:一致指標(=現時点の経済活動が堅調かどうかを計る目安の一つ)
ということですね。住宅やマンションを建てるにはたくさんの資材、人員が必要になりますし単価も非常に高額なので、建築が多いか少ないかが重要な指標として利用されてるんですね!!

〈ミシガン大学消費者態度指数〉

 ミシガン大学消費者態度指数は、消費者の経済に対する信頼と期待を測るもので、消費者の支出意欲や経済に対する見通しを示します。この指数は、現状判断指数と先行き期待指数の二つの部分から構成されており、消費者の現在の景気に対する評価と将来の経済状況に対する期待を反映しています。消費者の信頼感が高ければ、それは消費の増加と経済成長の促進につながる可能性があります。

 つまり、個人消費者の目線として「今後景気がどうなりそうと感じているか」のアンケートで、財布の紐が緩んで消費が拡大しそうか、堅くなって消費が冷え込みそうかが分かることになります。

 米国GDPは勿論世界一ですが、そのうち約67%が個人消費で占められており、個人消費の動向が景気を大きく左右することとなります。

〈経済分析への応用〉

 これらの指標を組み合わせることで、経済アナリストは住宅市場のトレンドを把握し、消費者の行動が経済に与える影響をより深く理解することができます。例えば、建設許可件数の増加は、将来の住宅着工件数の増加を示唆する可能性があり、これは経済活動の拡大を意味するかもしれません。同様に、ミシガン大学消費者態度指数の上昇は、消費者の信頼感の向上と、それに伴う消費の増加を示している可能性があります。

 経済の健全性を測るこれらの指標は、政策立案者が適切な経済政策を策定するための基礎となり、投資家が市場の動向を予測するための重要な情報源となります。経済の複雑な相互作用を理解するためには、これらの指標を定期的に追跡し、分析することが不可欠です。

〈7月の住宅建設許可件数、着工件数はどうだった?〉

 7月住宅建設許可件数は前月比―4%の139.6万戸と、6月145.4万戸から予想以上に減少しやはり2020年6月来で最低。
 米7月住宅着工件数は前月比―6.8%の123.8万戸と、6月132.9万戸から増加予想に反し減少し、パンデミックによる経済封鎖直後の2020年6月来で最低となった。
 今後も住宅建設が低迷する可能性が示唆された。材料費や人件費の高止まり、ローン金利も高く需要も低迷していることが要因と見られる

 いずれも厳しい結果でしたね。住宅市場の先行きはやや雲行きが怪しいようです。

〈8月のミシガン大学消費者態度指数はどうだった?〉

 発表された値は前回値も予想値も上回り、個人消費は堅調であることがうかがえました。

 なお、住宅建築許可件数・着工件数の発表とミシガン大学消費者態度指数の発表は約90分のタイムラグがあり、住宅関係指標は悪かったので日経平均先物は大幅に下げました。その後消費者態度指数は良かったので、日経平均先物も下げ幅を縮小する展開となりました。

〈まとめ〉

 米国経済は”完全に強い” とか ”完全に弱い”といったことではなく、堅調な面と弱い面が入り組んでいることが分かりました。9月に予定されている(という噂の)利下げを行う土台は整っているように感じます。問題となる利下げ幅ですが、これについても引き続き考察していきたいと思います!!

最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた。 

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投稿者

管理人ねこ

30代会社員。2020年4月頃にFIREという考え方を知り、目指し始めました。 これまでの軌跡、これからの軌跡をメインに綴りたいと思いブログ開設いたしました。まわりみちが多くなると思いますが、気長にやっていきたいと思います。

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