日本時間9月3日に発表予定の米8月ISM製造業景況指数、9月5日に発表予定の米8月ISM非製造業景況指数について解説する記事にしたいと思います。
(参考は楽天証券様/リンクはこちら)
目次
〈米国ISM製造業景況指数とは?〉
ISM指数は、全米供給管理協会(ISM)が毎月発表するデータに基づいています。このデータは、300社以上の購買担当者によるアンケート結果を集計して算出されます。新規受注、生産、雇用、供給者の納期、在庫などの項目が評価されます。
米国の経済指標であるISM製造業景況指数とISM非製造業景況指数は、それぞれ異なるセクターの景気動向を示す重要な指標です。これらの指数は、製造業と非製造業(サービス業)の購買担当者によるアンケート結果を基に算出され、50%が景気拡大と縮小の分岐点とされています。
両指数の違いは、対象とする業種にあります。
・ISM製造業景況指数は、製造業の活動を反映し、新規受注、生産、雇用、供給者納期、在庫などの項目を含みます。
・ISM非製造業景況指数は、サービス業を中心とした非製造業の活動を示し、事業活動、新規受注、雇用、供給者納期などが含まれます。
これらの指数の重要性は、米国経済の健全性を測るバロメーターとしての役割にあります。製造業と非製造業は米国GDPの大きな部分を占めており、これらの指数は経済の先行指標として注目されています。特に、ISM製造業景況指数は、製造業が国際貿易に大きく影響されるため、通貨の価値や株価に直接的な影響を与えることがあります。
〈集計方法〉
ISM指数は、全米供給管理協会(ISM)が毎月発表するデータに基づいています。このデータは、300社以上の購買担当者によるアンケート結果を集計して算出されます。新規受注、生産、雇用、供給者の納期、在庫などの項目が評価されます。
感覚的には日銀短観の業況判断DI(日銀HPリンクはこちら)に近いものと管理人は捉えております。
〈8月の結果はどうなりそう?〉
今回の結果予測に関しては、最新の市場予測によると、製造業指数は前月比で若干の改善が見込まれているものの、依然として50%を下回る可能性が指摘されています。非製造業指数に関しては、前月よりも改善が見込まれており、50%を上回ることが予想されています。
製造業:改善の兆しあり、非製造業:分岐点である50%を上回る見込み ということで、どちらかというとやや強い結果が出る見通しと管理人は考えています。
〈その結果株価、金利見通しは?〉
その後日本時間9月6日(金)夜中に発表が予定されている超重要指標である米国雇用統計までは、株価は堅調に推移、米国金利もやや高止まり(=やや円安圧力)となると考えております。
〈米国金融政策への影響〉
米国金融政策への影響ですが、ISM指数はFRBの金融政策決定において重要な指標の一つです。特に、製造業指数が50%を下回っている場合(今回は下回るかも知れませんね)、FRBは利上げを控える傾向にあります。今回の指数が予想通りに推移すれば、FRBの金融政策における利下げの可能性が一層高まるかもしれません。このように、ISM指数は経済全体に影響を及ぼすだけでなく、金融政策にも大きな影響を与えるため、その発表は市場参加者から高い関心を集めています。
〈GDPとの関連はある?〉
ISM指数とGDP成長率の関係は、経済分析において非常に重要なものです。ISM指数は、製造業と非製造業の両セクターの購買担当者の景況感を反映したもので、経済の現状と将来の動向を示す先行指標として機能します。一方、GDP成長率は経済の健全性を示す遅行指標であり、過去の一定期間にわたる経済活動の総合的な成果を測定します。
ISM製造業景況指標のデータとGDPは約85%連動していると言われており、これはISM指数が経済の健全性を示す有効な指標であることを強調しています。この高い相関関係は、ISM指数が経済分析や予測において重要な役割を果たす理由の一つです。
〈まとめ〉
結論として、ISM指数とGDP成長率は互いに関連しており、ISM指数は経済の現状と将来の成長を予測するための重要なツールとなっています。経済学者や政策立案者は、これらの指標を用いて経済政策を策定し、投資家は市場の動向を予測するために利用しています。したがって、ISM指数の変動は、GDP成長率の動向を理解する上で重要な手がかりとなります。
当然ながら株価にも大きな影響を与えますので、良い結果がでるように期待しながら発表を一緒に待ちましょう!!
最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた。