ここ数日の日本株の大幅下落の要因を考えていってみます。
〈日本株歴史的下落の要因はそもそも何だった?本当に米国景気懸念?〉
よく聞くのが「アメリカの景気減速懸念」と言われますが、果たしてそうでしょうか?
管理人はそれは事実では無いと思います。雇用統計は予想を下回りましたが、低水準であることに変わりはありませんでした。非製造業景況感も問題ありませんでした。利下げタイミングを探っているという話はありますが、利下げすれば一般的には株価上昇要因でしょう(ドル安にはなると思いますが)。
米国金利は4%超で、利下げする余地は十分です。やはり米国経済は強く中央銀行がしっかり機能している印象です。
〈本当の要因は円キャリートレードの巻き戻し?〉
円キャリートレードとは・・・金利の安い円を調達し、金利の高い米ドルや高い収益の見込める資産で運用すること とされています。長く続いた日本の異次元金融緩和で円金利は0でしたから、調達するには格好の通貨でしたね。
円キャリーの参加者は、まだ日銀の利上げは先と考えていたところ、(当日早朝のリークはありましたが)サプライズ的な日銀利上げを受けました。しかも総裁会見では金利は今後も段階的にあげていく旨のコメント付きでした。
米国の利下げ観測と相まって金利差縮小観測が急速に高まり、円キャリートレードの収益性悪化を恐れた参加者が急ぎ資産を処分して円を買って返した⇒急速に160円から144円前後まで円高が進んだ⇒輸出企業を中心に想定為替レート付近まで実際に落ちてきたので、日本株もパニック的に売られた ということと管理人は理解しています。
また、円キャリー参加者が日本株も買っていたので、強制決済で投げ売りされたことでそれも直接株価暴落に影響したとも言われています。
〈円キャリートレードの巻き戻しは終わったの?〉
管理人が調べた範囲では、この記事を執筆している段階で50~60%の円キャリーが解消されたと聞いています。つまり、まだまだ10%以上の株価下落や130円前後までの円高進行はあり得るかと思います。
輸出大企業の想定為替レートを超える円高までいくと嫌な感じがしますが、日本企業の業績自体は堅調です。一通りの円キャリーが終われば、ゆっくり日本株は上昇していくと考えています。個別企業株価までいくと分かりませんがインデックス投資はいつもどおり「そのうち戻るから大丈夫」精神でいいと思います。
ちなみに、大企業の想定為替レートは140~145円でした。ちょうど今と同じ水準ですね。
このまま上手く回復することを期待するばかりです。
最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた。