面白かったので、ネタバレしない範囲で紹介させてください。WOWOW契約しておいて良かったと感じた作品の一つです。(WOWOWの公式HPリンクはこちら)
〈ドラマの概要〉
WOWOWのオリジナルドラマ「にんげんこわい」は、古典落語の演目を現代的な解釈でドラマ化した作品です。このドラマは、人間の持つ暗い面、例えば嫉妬や憎しみなどの負の感情を描いており、それが物語の中心になっています。監督は賀内健太郎氏、主演は黒木華さんで、他にも東出昌大さんや松本妃代さんなど実力派の俳優が出演しています。
全5話からなるシリーズで、各エピソードが独立したストーリーを持つオムニバス形式で構成されています。また、「にんげんこわい2」として、さらに5エピソードが制作されており、合計で10エピソードが視聴者に提供されています。このドラマは、古典落語の演目を現代的な解釈で再構築し、人間の暗い面を探求することで、新たな視点から落語を楽しむことができる作品となっています。
〈どんな構成なのか〉
「にんげんこわい」は、落語の怖い話を基にしており、それぞれのエピソードが独立したオムニバス形式で構成されています。例えば、「心眼」という話では、盲目の按摩師が視力を取り戻す不思議な体験をする話や、男が女郎の愛を試す「辰巳の辻占」など、多様なストーリーが展開されます。これらの話は、人間の心理や感情の複雑さを巧みに表現しており、視聴者に深い印象を与えます。
ドラマの脚本は全て女性によって書かれており、特に女性の感情や心情がリアルに描かれている点が評価されています。また、男性キャラクターは情けなく描かれることが多く、それがドラマの独特な雰囲気を醸し出しています。視聴者のレビューによると、各話のキャスティングや演技も高く評価されており、特に黒木華さんの演技は見応えがあるとの声が多く聞かれます。
「にんげんこわい」は、ただ怖い話を描くのではなく、人間の内面に潜む恐怖や狂気を掘り下げることで、落語の新たな解釈を提示しています。これは、現代の視聴者にとって新鮮であり、同時に落語の伝統的な魅力を再発見する機会を提供しています。ドラマは、その斬新なアプローチと深い人間ドラマで、多くの視聴者を引き込んでいます。
〈それぞれのタイトル〉
- 「心眼」 – 盲目の按摩師が視力を取り戻す不思議な体験をする話。
- 「辰巳の辻占」 – 男が女郎の愛を試す話。
- 「紺屋高尾」 – けなげな職人の恋物語。
- 「宮戸川」 – 現在では陰惨な後半部分を演じる落語家がほとんどいないといわれている話。
- 「紙入れ」 – 小間物屋の新吉がおかみさんと旦那の秘密を知る話。
- 「品川心中①②」 – 品川遊廓の遊女・お染の心中を決断する話。
- 「鰍沢」 – 諸国を放浪する旅人が見知らぬ山小屋で出会う話。
- 「権助提灯」 – 商家に仕える飯炊きの権助の話。
- 「笠碁」 – 落語家の柳家喬太郎が語りを務める話。
管理人としては1話目の「心眼」から引き込まれました。詳細を書きたいのですが、ネタバレになってしまいますので自粛いたします・・・
〈管理人が考える魅力〉
心の機微や心情を想像させる描写や、役者さんの細かい表情などで、自分が物語に入ってしまうような感覚に陥ります。また、物語全般が危機的な状況だったり、逼迫した状況だったり、押さえられない恋心だったりで、「自分だったらどうするか」を常に考えながら一気見してしまう魅力があります。
結末も「ホッとするタイプ」「後味の悪いタイプ」両方のシナリオが用意されており、飽きることの無い構成になっていました。
一話一話は完全に独立しており、30分の構成なので気軽に見始めることが出来ますよ!!(管理人は一気に見てしまいましたが・・・)
〈タイトルのとおり・・・〉
もののけや災害も勿論怖いですが、世の中で一番怖いのは人間の「執念」「嫉妬」「憎しみ」だなぁとつくづく感じる作品でした。古典落語という形で語り継がれているということは、多くの人間が共感だったり、時代が変わっても変わらない恐怖だったりがあるんだと思います(特に女性の怖さ、したたかさ)。
〈まとめ〉
本作を管理人が勝手にまとめると・・・
・にんげんって怖い(時代を超えて共通する怖さがある)
・とてもよく出来た短編ドラマ集
・WOWOW入ってて良かった(本当に面白かった)
・本物の落語も聞いてみたくなった(初心者向けの寄席をさがしてみます)
雑記になり恐縮ですが、最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた。